飲み物で歯が溶ける?『酸う蝕(さんうしょく)』のお話

こんにちは!
今年も暑い夏になりそうですが、みなさん体調はいかがでしょうか?
こまめな水分補給を心がけて、熱中症には十分ご注意くださいね。


さて、本日は夏に特に気をつけたい「酸う蝕(さんうしょく)」についてお話したいと思います。


ところで、皆さんは「酸う蝕」についてご存知ですか?
通常、う蝕は「プラークの中の細菌が糖から酸を作り」その酸によって歯が溶けてしまうことをいいます。
それに対して、酸う蝕は「口の外から取り入れた酸や、体の中の(胃液などの)酸 によって」歯が溶けることをいいます。


暑い時期には冷たい飲み物が恋しくなりますよね。
ついついジュースや炭酸飲料、スポーツドリンクなどを手に取る機会も増えるのではないでしょうか。
しかし、これらの飲み物に含まれる「酸」が「酸う蝕」の原因になってしまうことがあるのです!


酸う蝕の原因と影響
炭酸飲料や果汁飲料、スポーツドリンクには多くの酸が含まれていて、これらの飲み物や食べ物に含まれる酸性成分がお口の中のpHを低下させます。pH5.5以下になると、歯を守る役割を担っているエナメル質からミネラルやカルシウムが溶け出してしまうのです。


普段から「ジュースや炭酸飲料」「レモンやオレンジなどの柑橘類の食べ物」「ヨーグルト」「お酢」をよく摂りますか?
これらはpHが5.5を下回っており、摂取することでエナメル質が溶け出してしまいやすい飲食物です。
(水やお茶、牛乳などはPhが5.5以上あるので、摂取しても酸う蝕が起きません。)


ただし、摂取したからといって歯がずっと溶け続けるわけではありません!
唾液の作用で溶け出したミネラルなどは戻り始めます。これを「再石灰化」といいます。


再石灰化の作用があるのに、なぜ酸う蝕になってしまうのでしょうか?
それは、ジュースなどの酸性が強い飲食物を数分おき、数時間おきに何度も摂取してしまうと、再石灰化することができずにずっと歯が溶け続けてしまうからなのです。
虫歯になっていないけど歯の先端が丸くなってきた、歯が薄くなったという症状が見られる時は酸う蝕の疑いが強いです。


お口の健康を保つために
酸性の強い飲食物を摂取してはいけないということではありません。お口の健康を保つためには、以下の3点が重要です!


・時間を決めて摂取して、だらだら飲み・だらだら食べをしない
・フッ素入りの歯磨剤などで歯質の強化を行う
・定期的に歯科に通い、虫歯がないか、なりそうなところはないかチェックする


以上、今回は「酸う蝕」についてお話しました。
普段摂取している飲食物のpHについて調べてみると、意外と酸性度が高いものもあるかもしれません。ぜひ一度調べてみてください!
また、お口に中についての悩みや食事についてなど疑問があれば、お気軽にご相談ください。

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